2021年BLランキング-電子書籍(小説編)-

BL小説のカテゴリでランキングが公開されていないシーモアを除く「ひかりTVブック」、「honto」、「Renta!」の2021年の年間ランキングを合わせて集計した結果です。

1位 美しい彼 / 凪良ゆう

凪良ゆう先生の「美しい彼」はすべてのサイトで上位にランクイン、Renta!では1位でした。小説は3巻まで発売されていた人気シリーズでしたが、2019年の6月に1作目のドラマCD、その翌月に3巻が発売されて以降動きがありませんでした。

2021年の後半は2作目のドラマCDと番外編集の発売がつづきました。

4月8日にBlu-ray・DVDboxが発売予定。hulu他配信サイトでも見ることができます。TVドラマの公式ビジュアルブックには凪良ゆう先生の書き下ろし番外編も収録。

ドラマCDの好調、さらに実写ドラマ化されたことによる読み直しや新規の需要により原作の売上も伸びています。

2位 緑土なす / みやしろちうこ

ムーンライトノベルズ発の人気作品みやしろちうこ先生の「緑土なす」もすべてのサイトで上位にランクインしていました。「緑土なす」はこのBLがやばい!2022年版の小説部門でも3位にランクインしています。

3巻にあたる「きみに捧げる花の名は」にも挿絵のuser先生の漫画が収録されていましたが、本格的なコミカライズがGOLD4月号から始動。

3月18日には新刊が発売されます。新刊発売記念にフェアも開催され、フェア開催書店で既刊を購入すると小冊子がもらえます。リアル書店と期間はことなりますが、電子書籍サイトでも4/28~5/31まで実施されるので、電子派の方もチェックしてみてください。

3位 魔導祖師 / 墨香銅臭

墨香銅臭先生の「魔道祖師」はひかりTVブックとhontoで1位にランクイン。このBLがやばい!2022年版の小説部門では1位になっています。全4巻。

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発売前に重版がかかるなど紙の本の販売も好調。

小説「魔道祖師」を原作としたブロマンス・ファンタジー時代劇「陳情令」のヒットやアニメの放送などメディアミックスも含めて話題となりました。関連書籍の販売も好調で、hontoの紙の本の年間ランキングでは鬼滅に続く」2位に公式写真集がランクインしています。また、最近では陳情令の日本語吹き替え版がアニメのメインキャストで放送されることも発表され話題となっています。

7月には墨香銅臭先生の「天官賜福」の日本語版小説が発売されるため、今年も引き続き中華BLが熱い年になりそうです。

4位 はなれがたいけもの / 八十庭たづ

ムーンライトノベルズ発の人気小説、八十庭たづ先生の「はなれがたいけもの」もすべてのサイトで上位にランクインしていました。このBLがやばい!2022年版の小説部門では5位にランクインしています。

「はなれがたいけもの」は鳥海よう子先生によるコミカライズもされています。長編小説を読むのがハードル高い人はコミカライズから世界観に触れてみてはいかがでしょうか。

5位 背中を預けるには / 小綱実波

こちらもムーンライトノベルズ発の人気小説「背中を預けるには」はひかりTVブックとhontoで上位にランクイン。このBLがやばい!2022年版では2位にランクインしています。

現在番外編まで書籍化され発売中です。スピンオフがムーンライトノベルズで連載されていましたが、現在は更新休止中。

6位 竜の子は婚約破棄を回避したい / 成瀬かの

成瀬かの先生の「竜の子は婚約破棄を回避したい」はhontoとRenta!で上位にランクインしていました。10位までのランクイン作品の中では唯一のオメガバース作品です。

7位 恋の恥はかき捨て / 月村奎

月村奎先生の「恋の恥はかき捨て」もすべてのサイトで上位にランクインしていました。他のランクイン作品でファンタジーが多い中、現代物の作品です。

また、ひかりTVブックでは「恋の恥はかき捨て」だけでなく、「ツァイガルニクの恋の沼」も上位にランクインしています。ひかりTVブックだけでみると「ツァイガルニクの恋の沼」の方が順位は上でした。

8位 花降る王子の婚礼 / 尾上与一

尾上与一先生の「花降る王子の婚礼」もすべてのサイトで上位にランクインしていました。著者作品の中で初の2巻となる「雪降る王妃と春のめざめ 花降る王子の婚礼2」が発売中。

尾上与一先生のTwitterでは作品の小ネタやSSなど発信されているので気になる人はチェックしてみてください。

9位 烈火の血族 / 夜光花

夜光花先生の「烈火の血族」はひかりTVブックとRenta!で上位にランクインしていました。5巻(最新刊「兇王の血族」)まで発売中。

その他、夜光花先生の作品は「眷愛隷属」と「推しはα」がランクインしています。複数の作品が上位に入っている作家さんは他にもいますが、3作品入っているのは夜光花先生のみでした。どの作品もシリーズ化していて、人気なのはもちろんなのですが、複数の作品を書く筆の速さが際立ちます。

10位 春になるまで待っててね / 伊達きよ
    異世界の沙汰は社畜次第 / 八月八
    鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰? / 小中大豆

同数で10位なのは3作品。「春になるまで待っててね」と「異世界の沙汰は社畜次第」はどちらもムーンライトノベルズ発の作品です。また、伊達きよ先生はhontoでは「春になるまで待っててね」だけでなく、「嫌われ神子の8年間」が14位にランクインしていました。2022年版のこのBLがやばい!では「春になるまで待っててね」が10位、「鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?」は20位でした。「異世界の沙汰は社畜次第」はコミカライズもされています。

異世界の沙汰は社畜次第 1

異世界の沙汰は社畜次第 1

[著者]采和輝 [原作]八月八 [キャラクター原案]大橋キッカ

まとめ

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出版社別

出版社別の構成をみると、徳間書店の作品が多くランクインしていました。つづくリブレとKADOKAWAはいずれもムーンライトノベルズの作品を刊行しています。特にKADOKAWAは今回ランクインしたすべて作品がムーンライトノベルズ発のものでした。

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近年注目されているWEB小説の書籍刊行はBL作品でも活発ですが、今回集計した作品の約26%がWEB発の作品でした。特に10位(今回は同数があるため12作品)以内では約41%がムーンライトノベルズの作品で、WEB発小説の人気が数字として表れた結果となりました。
アルファポリスの作品は書籍化のタイミングでWEBから削除されますが、ムーンライトノベルズについては継続されているものが多いです。しかし無断転載等の被害により一部WEBから削除されているものもあります。最近マンガは海賊版対策も含め海外での発売に積極的なところが多いですが、小説はそういった話をあまり聞かないので、対策が進んでいないのかもしれません。海賊版、ダメ、絶対。

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上の画像はオメガバース作品とオメガバースではないですが子どもが登場する作品の割合を示したグラフです。小説1位の美しい彼は現代を舞台とした作品ですが、他上位作品をみると異世界もの・ファンタジー要素のある作品が好まれている傾向にあるようです。オメガバースや類似した設定が受け入れられるのもそういう土壌があるからかもしれません。

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